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Fier: Später reden
【それから】
今回の話の後日談として。
リイラ・リヒトは、今までと比べれば周囲にそれなりに配慮した態度をとるようになった。やはりというべきか、相変わらずブラコンとすら言えよう兄への依存はあるが、それでも大分緩んできたようで、それなりに同じAクラスの者達と仲良くやろうという自発的な姿勢は見え始めた。
ただし、例外は当然ながらあり……
「ねえエンゼルぅ〜。なんか会長さんの妹、もうあたしより友達多くなっちゃってない?」
「かもね。貴女も案外付き合えば楽しいかもしれないわよ? どう?」
「ふーんだ。そんなの絶対やだもんねー」
アイリアとは、もうそれはそれは奇跡的なほどに反りが合わないようであった。
「ま、アイリアらしいっちゃあアイリアらしいよね。コミュニケーションが苦手同士はどうしても無理ってとこあるでしょ」
「ちょっとさっきからあたしの扱い酷くなーい?ニルヴまでそんなこと言うー」
ベッタリと机に体を伏せるアイリア。ここまで分かりやすいと、二人共からかいたくなるようだ。
「ま、アイリアはアイリアのやりたいようにすればいいの。友達は多いだけが得ってわけじゃないから」
「ま、多いと自慢できるんだけどね。僕ほど異性の友達が多いとね、結構ネタになるんだこれが」
つまりどっちがいいのやら。アイリアは二人の目論見通り混乱した。
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