Fier: Später reden

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 プランとは何ぞや、という疑問が浮かんでいる様子の二人をよそに、校長はごく自然な動きで新たな書類を出す。 「報告書と一緒に作りました。沢山のパターンを考えたのですが、おそらく最適なのはこれです。トイフェル先生には是非とも大いに協力してもらうことになりますよ」  1枚目には、まずこうあった。「冬休み期間特別プラン〜年越しパーティ編〜」……こう、妙に愉快でダサいフォントで書かれていたのである。そして序文が長々と書き連ねられた後に、プラン概要。  そこに書いてあったのは、トイフェル家の年越しパーティに招待すべきメンバーリストと、当日の計画だった。 「あの? うちの年越しパーティの招待状を何だと思ってるんですか?」  その通り、あまり気軽に出すものでは……と黒先生は思った。しかし、直後その考えがあっさりと打ち破られることになる。 「何って……適当にあなた方夫婦が招待したいなーって思った人に適当に出す手紙でしょう?」 「その通り。喜んで引き受けますよ」  いいのか。それで本当にいいのか。彼の認識では、なかなか高級な人物でも人によっては招待されない、特別な場だと感じていた。繰り返すようだがトイフェル家は超が付く名家である。そのためそこのパーティに呼ばれることは箔が付くことのように黒先生は思っていた。  まさか、ただの好みの問題だとは。
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