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Discovery
「あ、あの~うちの子たちがどうかしましたか?」
真っ赤なランドセルを背負った女子児童が泣きじゃくる いっちゃんと、まるで何かに勝利したような満面の笑みを浮かべている二~ちゃん二人の押し問答を目にするや否や、当事者の二人にではなく、その場に居合わせていた私に声を掛けてきた。
『いや、あの💦なんか人形の取り合いになっちゃったみたいで』
私が焦ってどうするの!?
しかしながら、私が焦ってしまうくらい彼女の瞳は凛とし、それでいて逞しく、とても今時の小学生とは思えなかった。
「お姉ぢゃ~ん!二~ちゃんがいっちゃんのこと噛んだぁグスグス」
いっちゃんの左腕にくっきりと残る二~ちゃんの噛み痕・・・何だか噛まれた左腕の様子がおかしい!?
『ね、ねぇいっちゃん?左腕が……』と、私が言いかけたその時、
「だ、大丈夫ですから気にしないで下さい!
ほらほら いっちゃん、二~ちゃん、お家ん中入りましょ!
すみませんでした。いろいろ迷惑をお掛けしてしまったみたいで」と頭を下げながら彼女が割り込んできてそう言うと、いっちゃんと二~ちゃんと手を繋いで家の中へと入っていった。
『な、何だったのあの左腕は?
橘 十四郎……あなたは娘に一体何をしたのっ!?』
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