理由について

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理由について

 私は大学生の時、人生で初めて恋をした。英会話の授業で話したのをきっかけに知り合い、連絡も取り合っていた子だ。  彼女は可愛かった。おそらく万人受けするタイプだ。しかし顔だけでいえばアイドルには劣るし、アイドルと知り合えたからといって私は恋には落ちないだろう。おそらく別の何かに惹かれたのだ。  彼女には黒い噂もあった。学科内でも可愛さ上位ということもあり、男達は彼女を放ってはおかなかった。彼女もまたその好意に甘え、幾人とも夜を明かしたという。それだけ聞けば絶対に近づいてはいけないタイプの人間だというのは火を見るより明らかなのだが、なぜか私は無性に彼女のことが好きだった。  私は彼女を自宅に誘った。彼女はそれを了承し、私の部屋で酒を飲むことになった。彼女は酒癖が悪く、酔い始めてから私に触れるようになり、果てはキスをしてきた。私は当然悪い気はしなかった。
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