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結婚式前夜、君は寝るまえに私に聞いた。
「どうして私を選んでくれたの?」
私はまたその質問に答えられなかった。それと同時に怖かった。この質問に答えられないことで、君を失うのではないかと。
「さぁ、どうしてだろうね」
私はそう答えて、君は眠りについた。その隣で私はずっと考えていた。君を選んだ理由について。そして眠れなかった。
翌朝、私は目覚ましが鳴る少し前に起きた。いつの間にか寝ていたみたいだ。そのまま隣で寝ている君を確認した。そして少し安心した。よかった。君はまだ僕の横にいた。いつもなら立ち上がって温かい飲み物でも淹れるのだが、何故か私は動けなかった。君が寝ている隣で私は胡座をかいて、毛布を纏ってぼんやりとしていた。
30分ほどして君が起きた。
「おはよう」
私たちは朝の挨拶を交わし、互いに式場へと向かう準備を始めた。私は着替えながら言った。
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