1人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのさ、昨日の質問なんだけど」
「え、なんだっけ質問って」
「どうして私のことを選んだのかって聞いただろう」
「あ、そうだっけ」
意外と君は覚えていなかった。
「実は、未だによく分からないんだ。ちゃんとした理由を答えられない。不甲斐ないことにね。でも、君のことはちゃんと好きだから」
私は正直に白状した。これは怒られるだろう、式当日の朝に最悪なことを言ったかもしれない。私は覚悟をした。
しかし、君は笑ってこう言った。
「私はあなたのそういうところが好きだよ」
そのときの君の笑顔は、今まで見たこの世の絶景よりも、可憐に咲く花よりも、きらびやかに輝く宝石よりも美しかった。
私は思ったのだ。私は君を選んで本当によかったと。
最初のコメントを投稿しよう!