君について

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「あのさ、昨日の質問なんだけど」 「え、なんだっけ質問って」 「どうして私のことを選んだのかって聞いただろう」 「あ、そうだっけ」  意外と君は覚えていなかった。 「実は、未だによく分からないんだ。ちゃんとした理由を答えられない。不甲斐ないことにね。でも、君のことはちゃんと好きだから」  私は正直に白状した。これは怒られるだろう、式当日の朝に最悪なことを言ったかもしれない。私は覚悟をした。  しかし、君は笑ってこう言った。 「私はあなたのそういうところが好きだよ」  そのときの君の笑顔は、今まで見たこの世の絶景よりも、可憐に咲く花よりも、きらびやかに輝く宝石よりも美しかった。  私は思ったのだ。私は君を選んで本当によかったと。
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