高校時代について

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「何のためにそんなことを聞くのか」 「何のための偵察なのか」 「どうして私にだけ聞くのか」  本当はもっと怒り口調で聞いていたと思う。ただでさえ苦手なMが相手だったし、同じことを聞かれ同じ答えを返すのにうんざりしていたから。  するとMから返事が来た。 「ごめんね、偵察なんかじゃないの」 「わたし、あなたのことが好き」  私は一瞬混乱した。本当に私のことを好きならばこんな回りくどいやり方をせずに、堂々と告白した方がまだ勝算はあったと思うぞ。  私は「うるさい女は苦手なので」という理由は述べず、ただその気持ちに答えられない旨を伝えた。
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