番外2話 佳奈

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番外2話 佳奈

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今思えば 俺は佳奈に憧れていたのかもしれない 小学生に上がってからは 佳奈の天才ぶりに拍車がかかった気がする 人との関わり方はそのままに 俺と同程度どころか 俺以上に能力があるのではないかと思うほどだ 家庭科を除いて 佳奈の料理には『破壊力』というステータスがつくほどに人知を超えた味がした 裁縫は針に糸を通すことだけに授業の時間全てを費やしていた それでも成績がオール5だったのは 佳奈の人柄が為したことなのか 今や知る由もない このあたりから 俺と佳奈の付き合いは増えていき 俺に親がいないことを知るとさらに付き合いは増え 一緒に登校するようになった しかし佳奈と違い人付き合いができなかった俺が佳奈と一緒にいることを快く思わないやつも多かった とある日の昼休みに 一人教室で本を読んでいると 佳奈が気遣って話しかけてくれた 「本が好きなら、一緒に図書室にでも行かない?私も借りたい本が、」 「そんな暗いやつと付き合ってたらぁ、佳奈ちゃんまで暗くなっちまうぜぇ」 例の如く軽井沢だ 暇なのだろうか 暗いやつ呼ばわりされても特には気にならない クラスメイトの顔なんて覚えていないし 覚える必要もないと思っていた 軽井沢の話し方は特徴的なので 一応声だけで判別していた 小学校低学年といういじめなどないような状況でも 俺は疎外され 俺もその方がいいと思っていた だがある日 事件が起きる ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 短いと思ったそこのあなた ごめんなさい 不定期更新であーる
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