【リクがいた】

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【リクがいた】

どのくらい、そこにいたか、 ちょっとわからない。 困った時に来てくれるのは、 やっぱ、リク。 「教室、帰るぞ。」 わたしの手首を掴む。 痛くはなくて、 そっと掴んでくれた。 リク、 いつから、そこにいたんだろ。 何も喋らないまま、 2年生の棟に戻る入口に モモカもいた。 たぶん、 モモカがリクを呼んだんだ。 「帰り、一緒に帰るから。」 と、 それだけいうと、 モモカに、 私を引き渡すみたいな感じで 手を離す。 「かな。大丈夫?」 「うん。ごめん。」 背中を向けたリクにモモカは、 「部活休むの?!」 と聞いた。 リクは何も言わず、 教室に向かってた。 「なんで?なにがあったの?」 と私に聞くモモカ。 一緒に帰ることになったのは、 たった今だから、 私も何も言えねー、、 けど。 「もしかしたら。」 「もしかしたら?」 「先輩が、私に告白したから?」 「はあああああああ?!」 声でかい。 「帰り、迎えくるらしいから。」 「いや、なんでひとごと??」 、、も、無理。 ついたため息と同時に チャイムも響いた。
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