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【頭ぽんぽんセカンド】
「かなちゃん」
ちょっと重みと厚みを感じる手が
ぽんぽんと頭に触れてる。
「きゃー♡♡♡」
と、どこかで悲鳴。
ゆっくり、顔を斜めにして、
頭の上を見ようとすると、
すたっと、
風が、縦に降りる。
あ。と思った時には、
体を折り曲げてる私より
更に下から
こちらを覗きこんでる
真島先輩と目があった。
「なんで謝るの?かなちゃん。」
昼休みの時の
畳み掛けるような勢いではなく、
それから、ちゃちゃまるで、
見かけたマナー悪男子ではなく、
きちんと、
私の目を見て、問いかけてくれる
オトコノヒトが、
そこにいた。
「あ、あの」
先輩が、立ち上がりながら、
私の体を真っ直ぐにのばし、
「見せもんじゃないから、
散れよ!」
と、こちらを見ていた野次馬勢に
激を飛ばした。
すると、
一斉にみんな、散らばりながら、
多分、先輩の友達達が
歓声をあげたり、
真島先輩に興味を持つ女の子勢が沸いてる雰囲気が、渡り廊下に充満する。
けど、
先輩は、それを全部かわして、
今のど真ん中の通路から
ちょっと端よりの
人様の通行の邪魔にならない方へ、
いつのまにか、
わたしを誘導し、
気がついたら、
ゆっくり、お話ができそうな
環境を整えてくれていた。
「それで、やっぱり無理なの?」
と、
笑いながら、
やっぱり、重くて厚い手が、
わたしの頭をぽんぽんした。
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