【なんか違う】

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【なんか違う】

多分、人生3回目の 頭ぽんぽんだ。 1回目は海人さん。 今日、いま、2→3と真島先輩。 違う。 気づいた。違うぞ。 真っ直ぐに先輩を見る。 「ごめんなさい。 やっぱり違います。」 先輩が、少しさみしそうに笑ったような気がした。 「あまりに、即決すぎて草。」 「あ。」 「謝らなくていいよ。想定内。」 想定内? 「かなちゃんのことは、 自転車置き場でいつも見てた」 あ。そうだったんだ。 「いっつも楽しそうだなーって」 え。そうだっけ? 「ま。彼女と別れて間もないし 3年最後の年にイベント1人は寂しいし。」 ・・どこまでが本気で ・・どこまでが冗談だ? 「その顔がすき。」 ストレートに言われた。 けど、 やっぱり、 違うや。 「ごめんなさい。」 「うん。いいよ。ありがと。 即決、悪くない。」 そう言って、先輩は、 わたしから、目を離すと、 ちょっと違うとこを じっと見て、考えてた。 「かなちゃん。」 「はい?」 すっと、 先輩の顔が左耳に近づく。 え、え?! 「好きなひと、いるの?」 小声で、ポソッとそう囁いて また、すっと離れた。 あまりに、 一瞬の出来事だったけど、 ふと、 思い出したのは、 電車で、私の前にいた海人さん。 真っ直ぐに先輩を見て、 迷いなくうなづいた。 先輩も笑う。 「苦労すんね。」 「苦労?」 「たまには、まわりにも、 目を向けてやんなよ。」 と、本日3度目の頭ぽんぽん。 「友達によろしく。」 そう言って笑う。 カバンを持ち直して、 私の前から離れようとしたその時に 「かーなーー!!」 とモモカの声が響いた。 あ? モモカのことか? と、先輩を見てうなづくと、 また、やっぱり笑われた。 「友達には、なってくれる?」 「なれますかね?」 盛大に笑い出す先輩。 「やっぱ、面白かった! また、挨拶くらいはしよ! じゃね、ばいばい!」 そう言って、 今度は、こっちを見ながら、 手を振って、 取り残された感なく、 去っていった。 ・・なんか、モテるってのは、 ウソじゃないかもって思った。
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