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【リク、見た?】
「かな!!」
陸上部の走りはいつも軽い。
かっこいいな、なんて
思うまなく、
すでに
モモカが、目の前で怒りだす。
「なんで?! なんで、ひとりで
行っちゃうわけ?!」
や、ヤバ、、、
「チャイムと同時に
走り出すとか、意味不明!」
どこら辺から怒ってんだろ?
かなり、ガチだ、
その証拠に髪が乱れまくってる。
陸練の時すら、
一糸乱れぬよう、美しさをキープして、高飛びに挑むモモカは、
いつも、わたしの心の中では、
絶賛スクショ作品だ。
「聞いてるの?!」
「ご、ごめん。」
最近、言葉につまるし、
謝ってばかり。
「で、リクは?!」
はい?
「リクはどこ行ったの?!」
「リク?」
「・・リク、来てないの?!」
あ、、
ちょっとわからない。
少しだけ、周りを見渡してみる。
けど、ごめん。
「わたし、見てないよ。」
としかいえない。
すると、モモカが、深くため息ついた。
「私、かなが飛び出してから、
すぐ、リクの教室に向かった。
かなが、教室から飛び出したって言ったら、リクもすぐに、走り出して。」
「そうなの?!」
「リクの走り出した方が、
ここだったから、
私も、こっちに来たんだよ!」
と涙浮かべて必死な感じ。
やだ。
すごく、すき。
でも、そこまでさせて、
申し訳ない雰囲気。
「とりあえず、私も
今日、部活休むから」
「そこまでしなくても」
「リク探さないと」
あ。そっか、一緒に帰るんだ。
「わたし、バイトだ。」
「リクさがそ!」
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