[目覚める。]

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 ジリリリリリ!!!  13本目の煙草に火をつけたところだった。歳をとると声がデカくなるのは機械も人間も同じだ。いい加減このロートルも処分した方がいいな。 「ヒューゴだ」 「突然すみません、ライラナです」  ライラナ女史。エクヴォーリの実質的なNo.2だ。  どうせ情報屋仲間からだと思ったのだが。普段かかって来ない相手からの電話は、面倒ごとか、悲報か、怪しいビジネスと相場が決まっている。 「珍しいな。どうした」 「……」  何かを堪える息遣いが受話器から聞こえた。……どうやら悲報が正解だったらしい。それもとびきりの。 「フィラフトさんが、殺されました」
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