春を待つ日々

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二日ほどして東京の 代々木上原の寮へ   帰ってきた春紀を 「おかえりぃ!  おかえりなさぁぁい!」 門のまで駆けながら 手を振る樹と、その後ろで 頭を下げる志保。 「ただいま」 「恙無いお仕事、  お疲れ様でございました」 連れ立って入ってくる三人を 「こりゃ、お式を急がなきゃ」 蓉子が冷やかす。 「式なんて…二度目同士だし、  社宅が出来次第、籍を入れて  一緒に住むくらい…」 と、言いかけて… 春紀は、ふと考えた。 なんとなくそれでいいかと言って 志保が頷くものだから そうで良いと思ってるものの… 「ケジメというか、  記念くらいはある方が  いいと思うけど」 蓉子の言うのも最もだと。 (考えてみるか…)
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