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春紀の心にいつも住むたま子は
十を過ぎて…
「どんどんお前に似てくる」
亮二がよく言うように
富士額が美しいかず子と
容姿はますますそっくりに。
「でも勉強好きは亮二似やなあ」
亮輔や衣玖も不思議がるほど
たま子の勉強好きは亮二似。
たま子の最近のお気に入りは
英語の辞書とピアノ。
どちらも亮二が教えていた。
「こんな田舎村に粋なピアノ、
だいぶ先から聴こえてるわ」
ふらりと庭先へ即隆和尚。
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