春を待つ日々

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一家揃っての食事が終わり、 各々の部屋へ引き上げると 「ん……」 夫・亮輔が何やら 考え込んでいるように 布団に座るのを衣玖は見て 「なんぞ…仕事で気になるような  煩わしいことが…ありましたか?  ここ一週間ほど気難しいような  顔をなさってるけど」 「あ…うん…いや…  いやいや…あ、ほれ、  寺の本堂のやり替えの材木の  都合を考えてたんや」 「そうですか…そんなら  よろしいけれど」 衣玖はホッとして横になった。 同じように横になりながらも 亮輔には一向に睡魔がこない。 理由は・・・・・・・・・、
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