山、半ば…

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「カッコいい!  カッコいいよ!」 「椅子は社長の家の  お古で申し訳ないが  また時間を、」 「これで充分ですよ。  あなたも勉強があるんです。  無理をなさらないで」 「そうだよ!これで満足だよ。  よし!この机の上でいっぱい  勉強して絶対に一番の学校へ  行って、僕も建築を勉強する!」 嬉しそうに、綺麗な木目の机を 撫で続ける樹を見て 「ありがとう…ありがとう  ございます……」 涙ぐむ志保と、 「ありがとう…  お父さん!」 樹の光る瞳に 春紀は改めて 「ここで三人から  何もかもを始めるんだ」 未来に意気込んだ。  
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