山、半ば…

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晩御飯がてらに 正は茜に案内してもらい、 樹と見世物小屋見物に出て、 大阪駅裏の賑やかな通りを 三人で…ああでもない こうてもないなど 語らいながらぶらぶら散歩で 天満屋に戻った。 滞在中は店の二階部屋を宿代わり。 普段は店横の住まいに 寝泊まりする茜も 樹を真ん中にして“川の字”。 「よかったあ…寂しがらずに  スヤスヤ寝てる…」 そっと樹の額を撫でる茜を 眺めているうち… 正に睡魔がやってきて… 知らぬ間に…正は夢を見ていた。
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