山、半ば…

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(ひとは何度も恋が出来る…) 若い頃の春紀には そうは思えなかった、 恋は一生一度、かず子だけと 信じて疑わなかったから。 「また恋をして…  幸せになれたことに…  神様仏様に感謝します…」 「ああ」 志保も同じことを 考えていたことが春紀は嬉しい。 戦中戦後の苦労があるから 志保とは、同じときに 同じ感情を共有出来るのだ。 「感謝を込めて、お前と樹を  大切にする…これからを  より一生懸命に生きる!」 少しずつ少しずつ 好転する“第二の人生”の 愛しい相棒の肩を 春紀は抱くのであった。
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