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「将太!!何したん?!
鈴子ちゃんに何をしたの?!」
晶子は息子・将太の両腕をとり、
問いただした。
「『お前、またデカくなったなあ』
って、鈴子ちゃんの背の高いのを
からかったんやで!失礼!!」
一人の女児が説明した。
「そんなんやったら
自分も頑張って大きくなれば
いいやんか!!」
他の女児も負けてはいない。
男児連は口を開けたまま。
「将太ちゃんは鈴子より
年下でしょ?
小さい子の言うことに
いちいち癇癪起こして
恥ずかしくはないのですか」
母親の諭す声を
無視してそっぽを向く鈴子。
「奥様、悪いのは将太なんです!
申し訳ありません!すみません!」
母親二人が頭を下げ合う中で
呆然と揺れ続ける将太を
後から支える樹の姿が
なんだか可笑しくて、
正はぷぷと、吹き出してしまった。
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