山、半ば…

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“うどんすき”…… それはちょっとした流行りになり 家庭社宅のみならず 独身寮の連中も夕食には うどんすきを希望する程。 独り小鍋も良し…皆で囲むも良し。 ここの連中は、調布へ越しても 以前のままに肩を寄せ合い 暮らしていた。 復員兵や行き場ない女子供の 教育や仕事にも気を配る蓉子は 相変わらずの活躍で  掃除の上手い者には清掃会社、  洗濯上手には洗濯屋 様々な職種を増やし… 独立したい者はそうさせていた。 中には男女を問わず 佐渡に付いて料理を 勉強するものまで現れて…  「寮のお昼時が勿体ないでしょ?   レストランにしない?」  蓉子は言い出す始末。 代々木上原の屋敷を改築した ホテルも佐渡を中心に 料理好きがあれやこれやと 発案して良い職場を作っていた。
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