山、半ば…

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「ああああああ…疲れたなあ!!」 春紀同様、大学での勉強も 並行している正の愚痴が 店内に響いた。 春紀達は黙って頷いていたけれど、 「ナニ…贅沢いうとんねん…。  今夜も茜に甘えるだけの男が…」 みどりの冷めた視線が 正の後ろにあった。 こんなときの正は いいか悪いか黙り込んでしまう。 春紀は、今と過去の線引出来ぬ正が 理解出来るのだが… “今”に知り合ったみどり、 ましてや女の立場のみどりにすると 正の“都合”に茜が 振り回されているようで 辛抱ならないのだろう、 なまじ茜が  「たまに会えるだけでええねん」 優しい納得を示すから……。
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