慕   情

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近藤の調査書をもとに 調布の芝山屋敷の辺りを うろうろするうちに 偶然見つけた息子の一粒種、 孫の樹を見つけてしまった敦子。 見つけてしまうと いても立ってもおれずに 芝山屋敷のそばを 離れられずに深大寺脇の宿に 逗留していた。 そのむかし…… 山仕事をさせていた 小作の娘・志保が 早くに親を亡くしてから 奉公人として住まわせていたことから 一人息子は志保と恋に堕ちた。 昔気質な夫は激怒、 二人は東京へ駆け落ち。 そのうちに帰ると信じていたが 十九と十七の二人は 子供まで生して帰らなかった。
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