慕   情

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(意地を張るのではなかった…) 可愛い男の子の写真を 人伝てに貰ったとき… 許しを夫に懇願したが 聞き入れては貰えなかった。 暫くして次の便りは 息子の病死…。駆けつけたときには 樹や志保など眼中にはなく ただただ…息子の亡骸を 連れ帰ることだけで精一杯。 それからは・・・・・ 息子を忘れるために 志保を憎んで夫婦で過ごしてきたが、 互いにある後悔は  『初めに許すべきだった』 と、いうこと・・・・・。 老いれば老いるほど 胸は痛んで仕方なかった。 先年死んだ夫の意思と 自分の考えもあったから、 子供の頃から世話を焼いて 大学まで出した近藤に、 樹と志保の現在を 調べさせていたのであった。
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