慕   情

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「な、なに?!  いきなり大きな声を出して」 隣の茜も驚いたが、 志保も驚いて正を見た。 「春紀さん、いるかい?!」 「え?ええ、奥に…」 「春さん!春さん!」 正は玄関から奥に叫んだ。 「おいおい、そんなに  大声でなくたって、聞こえ」 「春さん、樹君のばーさんは  木曽の人だと言ってたよな?  あの駅前で会ったばーさん、  深大寺にいるんだよ!  樹君に勝手に会ってるんだ!」 「なんだって?!」 慌てて靴を履く春紀の横で 志保は呆然としていた。
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