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「樹を渡すつもりも
樹に相続をさせる気も
一切ないのですが、
祖母として会わせてやらないと
後々…家族三人…後悔するような」
自分に立場を置き換えるなら
一生たま子に会えぬなど
考えただけで気がおかしく
しまいそうな春紀だった。
「葛城さんなら、フフ
そういうと思ってた。
近藤さん、あなたがいらして…
そちらも色々お調べになったように
私共も竹内家については
色々調べましたのよ。
旧家として、村のために
随分と貢献なさったのね、先代は」
蓉子の言うことに
間違いなどないのは、
近藤は無論、志保も知っていた。
(あの村は護られていた…)
志保の瞼に故郷が映った。
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