慕   情

38/43
前へ
/315ページ
次へ
「樹を渡すつもりも  樹に相続をさせる気も  一切ないのですが、  祖母として会わせてやらないと  後々…家族三人…後悔するような」 自分に立場を置き換えるなら 一生たま子に会えぬなど 考えただけで気がおかしく しまいそうな春紀だった。 「葛城さんなら、フフ  そういうと思ってた。  近藤さん、あなたがいらして…  そちらも色々お調べになったように  私共も竹内家については  色々調べましたのよ。  旧家として、村のために  随分と貢献なさったのね、先代は」 蓉子の言うことに 間違いなどないのは、 近藤は無論、志保も知っていた。 (あの村は護られていた…) 志保の瞼に故郷が映った。 79f7e80c-1146-47e4-9470-ef8d5cc68f50
/315ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加