灯り燈せば…

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けれども…… 軽い疲労と考えていたのに 微熱は下がることなく 二日が経過してしまった。 近所の医院を訪ねると 「おめでたですよ」 医師から告げられた言葉に 春紀と志保は一瞬啞然。 しかし…間をおいて 「ああ…ああ!」 志保は喜びの笑みを春紀に向けると 春紀の目尻に涙が…。 「……親父がいる間に  知りたかったなあ!」 膝を叩いて何度も頷いていた。 結婚したのであるし、 まだ若いのであるから これは当然のことではあるが、 長く暗闇に暮らした二人には このように“当たり前の暮らし”は 全てが奇跡で、有り難かった。
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