灯り燈せば…

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龍子から  『来年には子供が生まれる』 と、連絡を受けた亮輔… 落ち着けるはずもない。 ただでも隠し事ない夫婦で やってきた衣玖との歳月…。 最大の隠し事を胸に暮らす日々で またしても寺には たま子の“供え物”…。 亮輔は、背中まで痛むような 後ろめたい疼きに悩んだ。 そして・・・・・・・ 無事にかず子が退院して 一先ず安心が戻ると、 「あのなあ…」 亮輔は 「は、浜松へちょっと  ……行かへんか…?」 つい口にした。 (ここでは話せない…。  いや、やはり口実を作って  二人で東京へ!) 「浜松…やはり、義姉さんの  お具合でも?この前、そちらから  戻って以来…なんやら  落ち着かん様子やないですか」 悩み事を持つことには 察していたようだった衣玖。
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