時は流れて…
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樹と同い年のたま子は、 兄弟が愛した母親・かず子に似て 美しい娘に成長していた。 毎週土曜日は、和歌山市内の 有名教室でピアノを習い、 最近越してきた英国人の家では 英語を学んでいた。 「将来はどんな婿でも たま子なら迎えられる」 毎日のように言う亮二。 「跡取りは息子二人が…」 かず子がいいかけると 「惣領は兄貴(春紀)の 血をひくたま子以外ない」 …譲らなかった。
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