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たま子や亮真・亮平の
三人の孫の成長を、
春紀の老親は、日々の糧に
過ごしていたが、
生存を諦めた亮一(春紀)が生きて、
文字通り“第二の人生”を
着々と歩み、次の命も
授かっていることは、
亮輔衣玖夫婦にも
新たな生命力を生んだ。
それは同時に
「お父さん、あの家を
買い取るのですって!
ああ、大丈夫かしら?
庭もあったわ…ああ
ウチの木、無患子も
植えてやりたいわあ…
そうや…上の子が
大学に上がる前には…」
“親として”の欲も出る。
ましてや不憫を負わせた息子を
思うがあまり、してやりたいことが
膨らんで膨らんで
仕方がないのだ。
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