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亮輔・衣玖からの
気持ち溢れた贈り物は
むろんのことだったが、
たま子からの“供え物”は
相変わらず続いていた。
即隆からそれが届くと
志保と春紀は皆から聞いた
美味しい物、可愛い小物と
買い求めては浜松の龍子に託す、
それを龍子が紀州へ送るという
手間のかかりようではあるのだが、
影を隠してたま子を案ずる春紀と、
その春紀に寄り添う志保にとっては
そのような手段しかなかった。
「ピアノの発表会に
ドレスまで仕立てを
して下さるとか…。
ほんまにどんな御礼が
良いのか悩んでしまうわ」
かず子は少し荷の重い気も
するのだけれど
(やっぱり下の二人(息子)と
父親が違うのは皆に
気を遣わせるのや…)
改めて自分やたま子の立場を
認識するのであった。
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