時は流れて…

21/22
前へ
/315ページ
次へ
 【 職人技冴え輝く 】 その見出しの記事は 高級住宅に使用される ガラス、欄間に壁の塗装、 庭のデザインなど 復興日本を飛び越えて 金に糸目をつけぬ邸宅を 数頁にわたり紹介していた。 その純日本家屋の中で  『 女心を和ます一輪、    家紋や好みの花を    彫刻して箪笥や鏡台に 』 …とある特注品の家具、 “細工は葛城春紀氏” ともあった。 「天晴な奴じゃ…  二度目の人生を  咲かせおったわ」 たま子の供えた茶葉袋に 即隆は散華の経を唱え続けた。
/315ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加