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「こんにちはぁ」
たま子と同級生の鈴子も
亮輔のそばに来て
「父が書斎で『お茶でも』と」
亮輔に声をかけ、
「たまちゃんは話が終わるまで
私の部屋で本、観てよう。
“平凡”の新刊買ったよ」
と、たま子の手をひいた。
「うちの鈴子は芸能界なんぞに
興味があるから、真面目な
たま子ちゃんに悪影響が
ないと良いのだけれど」
父親の苦言に
「“平凡”なんてみんな
読んでるわ、ねぇ、たまちゃん」
「ええ」
華やかな娘達の背を見送ると
芳嗣と亮輔は書斎へ…
廊下に沿った静かな庭を
横目に二人は書斎の戸を
しっかりと閉めた。
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