冬 の 影

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進路を明確にした樹の 向学心は更に高まり 「はい、お弁当二つ」 志保も出来る限りの応援を。 それに倹約家の志保は 「樹の下宿代の一年目は  私、貯金を…」 家事の合間に芝山邸の 雑事で得る金はほぼ 貯蓄へ回していた。 「それはまだ手をつける  必要はないさ。大丈夫!  ボーナスのほとんどは  教育費に使おう。  僕らの老後の楽しみのために  君はヘソクリに励めばいい」 何かというと気兼ねばかりの 志保はきっと“京都”という 樹の希望を聞いて また気を揉んでいると 察すると…つい… (たま子は遠慮なく  学校を選べているだろうか) そんな心配も… 湧いてしまう春紀であった。
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