冬 の 影

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「私も…そう思います」 そのあとに  “気性も頑丈な身体も   亮一さんに似てるから” …呑んだ言葉は 「亮真は…あの子に  生き写しやから…」 衣玖が代弁した。 「人間には“居るべき場”  言うのがあるもんや…。  亮二には可哀想なことをした。  山仕事なんぞは向いてない。  但し、戦争が終わって  会社経営中心となった今は  あいつの慎重さが  財産を増やすことに繋がった。  でも…早いこと、亮真に  仕事を仕込んで亮二に  楽をさせてやりたいんや」 頷く衣玖とかず子。 しかし、亮輔には “楽にしてやる”は他の意もあった。 (兄弟に“本当の戦後”を  与えてやらねばならん) 決意を固めつつあった。  
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