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「ちょっと地味だけど
なかなかの美人ですねぇ」
現場の男達が色めき立って
春紀はやや心穏やかなでなかった。
普段から美しいことは
承知しているが
(ずいぶんと…垢抜けたような…)
志保の白いブラウスと
紺色の細身のスカートは
颯爽と闊歩する会社勤めの
女性のようだった。
「いつもと…違う感じだね…」
気の効いた褒め言葉が
浮かばないのが春紀という男。
「私なんか、田舎者がこんな
洒落た服は似合わないのですが
奥様がこれを着ていくようにと」
恥じらい俯くのが、
志保ていう女なのである。
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