序章  帰 還

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興奮したせいか・・・ 二日ほど寝ついてしもた。 シベリアの・・・夢を見た。 「寒いぃぃぃさむっ寒いぃぃぃ」 と何度も寝言を言うてたんやなあ、 枕元で、和尚は、 「御苦労さんやったあ  御苦労さんやったでぇ  もう寒うない、寒うない」 肩を撫でてくれていた。 水を打った庭からの和らいだ風に 目が覚めて、二人で話を・・・。 「うちは、材木やってましたやろ?  木に詳しいことが、幸いやったか、  災いしたか、シベリアでは  重宝されて、足留めくらいました」 「施設工事には重要やからなあ」 「電気に、水道技術が出来ると  食べることはなんとか・・・でも  なんの役にもたたんと見なされたら  飯も貰えんと次々に死んで・・・」 「・・・生き地獄や・・・」 そうや・・・生き地獄・・・ その中で、俺にはかず子との 思い出が、大事な栄養源やった。 「裏の池、相変わらず  澄んでて綺麗ですね・・・」 二人で二世を誓った池。 99db772a-1600-4ba5-a5dc-8494df7d347d  
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