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それでは次のシーンをどうぞ。
旅客機のコックピットにて。
「まずいぞ……。このままでは墜落する!」
パイロットが焦りの表情を浮かべ、そう声を上げる。
機体が制御不能状態に陥り、急降下していく。
「うあああああああああ!! もうダメだ!!」
成す統べなく、パイロットが目を閉じ、死を覚悟した。次の瞬間。
機体が地面に衝突し、大破する……かと思いきや……
ボヨンボヨンと地面をバウンドするではないか。
パイロットは何事も無かったかのように平然とした顔で旅客機を操縦する。まるで、最初から飛行機が、そういう乗り物だったかのように。
おわかりいただけただろうか。
この旅客機に起きた可笑しな現象を。
機体トラブルで制御不能になり、墜落するはずだった旅客機が地面をバウンドしたのだ。飛行機が地面をボヨンボヨンとバウンドすることなどあり得ないはずなのに、それに乗る者達は何の違和感を持たずに乗ってしまっているのだ。
これも、雨の日に起きるバグなのである。
このバグにより、助からないはずの命が助かることがあるのだ。しかし、その逆も然り。
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