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「当フェリーは、後10分程で才羽島(さいばじま)へ到着いたします。繰り返します、当フェリーは--------」
本土からフェリーに揺られて20分ほどで、俺の目的地の島が見えてくる。
「……。」
出航してすぐ、俺は甲板へ出て景色を見るでもなく、ぼーっと手すりにつかまり海を見ていた。
(…あれ、俺…何してたんだっけ?)
変なことを思い出した。
なんか、長い夢だったな。
「あれ…。」
何か、おれ泣いている。
なんでだ…?
-ピンポンパンポーン-
『間もなく、才羽島へ到着いたします。繰り返します、間もなく--------』
まあ、いいや。
もう降りる準備しないと…。
そう思い、リュックを背負いなおし甲板へ向かう。
(そういや…雨やんだな。)
さっきまで降り続いていた、止みそうもない雨も止んだ。
俺を歓迎してくれているのかな、と思った。
さあ、下船だ。
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