0人が本棚に入れています
本棚に追加
それは、いつも唐突に表れる。
「……。」
それは、まるで世界が破れたような現象…。
ブラックホールとでもいうのだろうか。
空間に穴が開いているんだ。
(音はしない…でも。)
一度、この穴に弾丸を撃ち込んだことがある。
興味本位というか、人間ってものは、自分の知らない現象に恐怖する。
ー子供って怖いもの知らずだろ?ー
それってこれは危険なものというのを『知らない』から怖くないんだ。
だが、大人は違う。
知っていることばかり。
だからこそ、恐怖というものに出会う瞬間が少なくなった大人にとって、こういった知らない現象は恐怖だったのだろう。
…俺もまだまだガキだな。
撃ち込んだ結果、『何も起きなかった』。
銃から放たれるという過程を通った弾丸は、『着弾する』という結果を吹っ飛ばして『なにも起こらない』という結果を無理やりこじつけてきやがったんだ。
それ以来、不定期ではあるがこいつを見ることがある。
さわっちゃいけねぇ…そして、こいつも地球による何かのサインなんだろう。
もう…終焉はすぐそこまで迫ってるってか…。
「…さっさと、決着をつける必要があるんかね…。」
そう思い、俺はここを立ち去る。
俺の目的か?
それは……。
「……世界の終焉、かな。」
最初のコメントを投稿しよう!