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それは、いつも唐突に表れる。
「……。」
それは、まるで人間の女の子。
子供…それも10歳ぐらいの赤髪で、青いワンピースを着た女の子。
見た目通りの幼さだ。
(しゃべりはしない…でも)
一度、この少女に語り掛けたことがある。
興味本位というか、人間ってものは、どういう反応をするのか興味があった。
『あんた、なにもんだ?』
しかし少女は少し笑うのみだった。
それ以降、何度か唐突に表れ、こちらを認識しているが、少しにこっと笑って、それからはうつろな目をして終わり。
だからこそ、この少女にますます興味が出たのだろう。
銃で撃ってみようともした。
しかし不思議なことに、引き金が引けないのだ。
「…分からん。」
そう、それに尽きる。
おかしいだろ?
銃の引き金を引くという行動を起こした過程で、本来であれば『弾丸が飛び出す』という結果を吹っ飛ばして『なにも起こらない』という結果を無理やりこじつけてきやがったんだ。
それ以来、不定期ではあるがこいつを見ることがある。
関わっちゃいけねぇ。
それは何となくわかった。
しかし、こいつも地球による何かのサインなんだろう。
もう…終焉はすぐそこまで迫ってるってか…。
そうか…。
「…さっさと、行かないといけないんかね…。」
そう思い、俺はここを立ち去る。
目的?
俺のか?
それは……。
「……世界の救済、かな。」
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