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新しい土地についた。
ここは、かつて岡山と呼ばれた土地。
日本の首都だ。
「…やっと戻ってこられた。」
これまでの『過程』を全て振り返った時、やはりここがこの世界の座標の『終着地点』なのではないかと思った。
バスやタクシーという、かつての運送車の発着場。
多くのバラバラになった車があちらこちらに点在している。
そして、その車の近くには、カバンや…服など…かつて人間だっと者たちがそこにいた。
「……。」
その者達を横目に、俺は最終地点へ向かう。
駅のホームだ。
そしてホームには『のぞみ22号(N700系)』、「新大阪・東京行き」が止まっていた。
ー間もなく、列車が発車致します。駆け込み乗車はお控えくださいー
ー♪~♪~ー
俺は列車へ飛び乗る。
この音楽…岡山駅の新幹線の発車メロディー、『あの有名な鉄道999のアニメ』の主題歌だ。
(行こう…。)
新幹線は岡山を12時23分に発車した。
最終の東京へは15時36分に着く。
俺は目的の先頭車両へ向かった。
それぞれの車両を通過するごとに、俺の今までの失われたはずの『繰り返されていた時の記憶』が蘇ってきた。
その記憶の中では、全て世界の終焉に失敗してしまっていた。
残った人類で世界大戦の勃発した記憶…。
平和だが、それがゆえに人類は生きることを放棄してしまった記憶…。
あの少女とともに旅をした記憶。
そしてその中には、あの少女と家庭を持った記憶もあった。
「…ははっ…。」
なぜだろう。
涙が止まらない。
俺のために死んでいった仲間。
救えなかった命。
そして…新しい命の誕生。
全て、俺の記憶…紛れもなく…俺が体験した記憶の数々だった。
「……。」
小さな女の子が、運転席らしき場所へ座っていた。
「…ようやく、来たのじゃな」
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