後日談

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「ユフィーは文章を書くの、上手じゃない」 「え? あの、ご覧になったことが……?」  サクラ様は鏡の中で黒い瞳をくるんとこちらに向けて、優しく微笑んだ。 「オフィーリアに、お話を作ってくれたでしょう? それに」 「それに?」 「最初に見てしまったお話も、楽しかったわ」 「!!」  恥ずかしさに真っ赤になったわたしに、サクラ様は「ごめんごめん」と楽しそうに笑って、固まったわたしに向き直った。 「巷には、無責任な話がたくさん出回ってるでしょう? こういう立場の人間は多少、娯楽として扱われるのは仕方ないことだと思ってるけど、このお話は、真実が広まってもいいと思わない?」  わたしを見上げてそう言うサクラ様に、同じ気持ちをわかっていただけて、胸がじんわりする。
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