天使との出会い

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「つまり、現世の人々を良い方向に導くのが天使の仕事なんです。そのためには人間のフリをして下界で過ごさなければならない。天使になるということは、また別れた人たちに会える可能性があるということです」 光太の頭に家族や幼なじみたちの顔が浮かんだ。当然、会えるなら会いたいと思った。 「ですが、全ての魂が天使になれるというわけではありません。天使採用試験に合格して 天使として現世に戻れるのです。しかも、神崎光太としてではなく、別人としてです」 その天使は、光太に向き直った。その表情は少し悲しさをはらんでるように見えた。 「生き返るわけじゃないっていうのはそういうことか…他人として近くにいるということか」 「そういうことです。さぁ、話を戻しましょう。あなたは天使としてまた家族や友人達と会いたいですか?」 光太は再び、こめかみに親指を当てた。 「天使採用試験…っていうのは?」 正面に立っていた天使は、一気に光太との距離を詰め、顔を近づけた。 「それは…目的地に着いたら話をしましょう」 踵を返し、再び歩きだす天使。 「どこにいくんだよ?」 光太は歩くスピードを上げて、天使についていく。歩みを止めず顔だけ光太のほうに向けた天使は答える。 「この天界で一番偉い人…神様のところですよ」
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