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断捨離中に！
ネェ・・カズ君・・もう、そろそろ書斎を片付けてちょうだい！
妻は少し口を尖らせて、私にキッチンから声をかけた。
ア〜わかった！・・・と私は新聞に眼を遣りながら・・答えた。
もう・・ホントよ！・・妻は食器を洗いながら、私に言っていた。
読まない本や、聴かないＣＤは売るなり、捨てるなり・・お願いしますネェ！
わかった・・ヨ・・ハイハイ！
マァ・・確かに私の書斎は本の山！
聴かなくなった・・ＣＤもただ積んであるだけ！
それで・・休日に書斎の断捨離を開始した。
・・オオ・・志ん朝の落語名作、文七元結・・ＣＤ・・探して居たのが・・こんな場所に！
アレレ・・コレも読んで無い・・買ってそのまま・・かよ？
マァ・・出るわ、出るわ・・少し自分でも呆れ返るくらいの、量！
チョットした・・お宝探し状態。
こうなると・・・少しお宝探しが面白くなってきた。
ヨッシャ〜書棚は・・と普段滅多に開けない書棚の整理。
書棚を整理してたら・・奥の方から・・古い箱が出てきた。
なんじゃらホイ？？？？・・とすっかり忘れて居る箱。
開けて・・初めてわかった。
高校の頃の・・ラブレター・・かよ！！
もちろん・・私が出し損ねたラブレターが！
ヒェ〜恥ずかしい！・・マァ・・よく、こんな文章を書いて・・オオ・・恥ずかしい！
読んで・・赤面する、私！
嗚呼〜この子とは・・いいところ・・迄行ってたなぁ〜！
ゲッ・・コイツには・・けんもほろろ・・に振られたっけ！
読んでいて・・赤面する自分と懐かしい自分が居た。
一番下から・・未開封の・・貰ったと思われる・・ラブレターが出てきた。
ハテ・・？？？？・・誰だ？？？？
未開封のラブレターを４０年振りに開封をした。
私は貴方を三年間、見てました。
こっそり、見てました。
貴方と廊下ですれ違う時は、ドキドキして貴方を見てました。
図書館でも貴方を三年間見てました。
もうすぐ卒業ですね。
最後だから・・勇気を持って、貴方に私の気持ちを伝える為にこの恋文を出します。
『貴方の事が大好きでした』
三年間ありがとうございます。
ーＲ・Ｓー
Ｒ・Ｓ・・ハテ？？？？
誰？？？？ダァ！
遠い昔の記憶を辿った。
でも・・全然思い出せない。
いつ・・貰ったのかも・・忘れている。
郵便では無い！
宛名も切手も無いから。
と・・言う事は・・手渡し？
でも・・覚えていない。
卒業アルバムを出した。
アルバムのページを巡って・・Ｒ・Ｓ該当の名前を探して居る私。
わからない！
だいたい・・Ｒ・Ｓ・・ったって・・名前がＲなのか・・苗字がＳなのかも、わからないんだから！
これじゃ・・探しようが無いって感じ！
コイツか？？？？
でも・・思い出せない。
コイツかも・・思い出せない。
それでも・・卒業アルバムを巡って居た、私。
ネェ・・片付いたの？？？？・・と妻が書斎に入ってきた。
アッ・・ウウン・・！
ヤダ〜全然片付けて無いじゃないの！
片付けどころか・・な〜に・・もう・・散らかして！と・・妻のお叱言。
今・・書棚の整理を・・ネェ！と私は妻に言い訳をして居た。
アラ〜？？？？
それって・・！！！
ラブレターじゃない！！・・と妻は私が手にして居るラブレターを見て言った。
・・・ウウン！・・と私は妻から眼を逸らして・・曖昧な答え。
ヤッダ〜懐かしい・・・持って居てくれたんだ・・カズ君は！！
ハァ〜・・とキョトンとして・・私は妻を見た。
アレレ？？？？
それって・・私が渡したラブレターだよ！！
エエ？？？？
もう・・イヤな人・・女の子から貰ったラブレターを・・忘れるなんて・・酷くな〜い⤴︎？
エエ・・あのサァ・・これって涼子が・・俺に？？？？
そうだよ！
あの頃・・サァ・・カズ君って・・結構モテモテだったでしょう！
・・・？？？？！
だいたい・・涼子って・・俺と同じ高校だったの？？？？・・スッゴイ不思議な顔で妻を見て居た。
ん、マァ・・スッゴイ・・失礼な人・・カズ君って！！
体育館の裏で・・渡したでしょう！！
・・？？？？・・首を捻る私。
ヤッパリ・・ネェ・・あの頃のモテモテ君は・・私には・・眼中無かったんだ！！
でも・・サァ・・俺と涼子って・・お見合い結婚でしょう？？？？
アレレ・・それも・・今迄気づいて無いの？？？？
・・・ハァ〜・・と私の頭の中は・・こんがらがって。
カズ君が・・お父さんの会社に就職して・・そこでお見合い紹介で・・ホテルでお見合い、したでしょう！
・・ハイ・・仰る通りですが・・まだ納得して無い私。
アレは・・私がお父さんを通して・・お見合いを頼んだの！
・・・エエ？？？？・・と、やはり頭がグチャグチャな私。
もう・・私が・・カズ君がお父さんの会社に就職したって知って・・頼んだんだから・・わかった？？？？
・・それって・・なんとなく・・わかった様なわからない様な？？？？
あのサァ・・あの頃・・涼子って・・綺麗で・・明るくって・・優しくって・・高校の頃の・・涼子は全然思い出せないんだけだ？？？？
へっへへ・・マァ・・今で言う・・大学デビューかなぁ〜！と妻はニコニコして居る。
ウム・・女性は・・わからない！
女性って・・急に綺麗に咲きだすんだから！
マァ・・今は凄く幸せだけど・・！
今回の断捨離で・・出てきたラブレターで・・・なんか・・もう一度・・４０年も立って・・妻に恋した感じ‼️
ーおしまいー
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