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例年よりも少し遅めに咲いた桜の花びらが空で舞い始めた頃。
私は誰も友だちがいない、家から少し離れた高校に入学した。
幼なじみの颯真と一緒に。
「おい、優羽!遅刻するぞ!」
私たちはこの春から電車で通うことになっている。
それなのに私は寝坊してしまった。
「ぎゃあ!!!!もっと早く起こしなさいよ!」
「起こしても起こしても起きなかったのはお前だろ!?」
家が隣で親同士がすごく仲が良かったことから、颯真とは小さいときからずっと一緒にいる。
片時も離れず2人一緒に行動するため、度々付き合ってると勘違いされた。
何回否定しても信じてくれなくて、すごいからかわれた。
それはそれは面倒でダルくて、嫌だった。
友だちと思って人にも信じてもらえなくて、それから颯真以外を信じることが出来なくなったんだ。
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