第一章 幼なじみの距離

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それに嫌気がさした私はわざわざ遠い高校を選んだ。 だって、颯真と離れるとか考えられないもん。 いつでも友だちよりも颯真を優先してきた。そして、颯真もそうだった。 だって、すごく気が合うんだもん。 話は合うし、楽しいし、何より気が安らぐ。 こんなにいい人、これから先見つからないってぐらい。 でも、なぜか付き合いたいとかそういう感情は湧かないんだよな。 何でだろう。 私は高速で着替え、家を飛び出した。 「ギリギリセーフ!!」 「セーフじゃねぇだろ。ほら行くぞ」 「へいへい」 こんなノリで約13年一緒に過ごしている。 颯真は男子っていうより、お母さんって感じ。 私よりしっかりしてて、家事が出来て、優しい。 だけどちょっとスパルタなところがあるから、まさにお母さんみたいだ。 まあ、うちのお母さんが仕事で忙しくて、あまり家にいないからそう思うだけなのかもしれないけど。
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