第一章 幼なじみの距離

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今日は待ちに待った入学式! なのに、私はこんな調子。 颯真も颯真でいつもみたいにプンスカしてる。 「ほら後ろ乗れ。駅まで急ぐぞ」 「おう!」 颯真の後ろに乗ると、自転車を勢いよくこぎはじめた。 ここの風景は変わらないな…。 中学3年間、2人で歩いて登校したっけ。 「懐かしいな」 「そうだね」 颯真も同じこと考えてたんだ。 なんか、気持ちが繋がってるみたいでちょっぴり嬉しい。 「着いたぞ。急げ!」 「はーい」 「ほら早くしろ」 「うわぁ!引っ張るなっ!」 もうすぐ電車が出そうで私たちは急いで駆け込み、ギリギリセーフだった。 「毎朝これは勘弁な」 「えー」 「早く起きる癖つけろ」 「はーい」
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