第一章 幼なじみの距離

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鞄を持って、そろっと駐輪場から体育館へ急いだ。 やっぱり体育館の入り口には見張りの先生がいて、入れない。 私たちは顔を見合わせた。 入学式は諦めよう。 体育館に繋がる廊下に座った。 皆が出てきたときにどさくさに紛れて教室に行こうと2人で考えた。 しばらくして体育館の扉が開いた。 ぞろぞろと新入生が出てくる。 私と颯真はそこにしれっと紛れ込んだ。 よし、成功!! 「白木(しらき)木場(きば)は職員室な」 先生に肩を叩かれ、ぞくっとしてしまう。 なんでバレたの…? 颯真は諦めたように私を見た。 時すでに遅しってやつですか。 入学初日に遅刻するとは何事だ!と散々怒られたのは言うまでもない。
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