その後。「帰したくない」と言って後ろから抱きしめられました R

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 指先が恋しい。あの爪のかたち。骨ばった指、なのに繊細な指先の動き。わたしのとは違う、男性特有の大きな手。  もどかしさに、歯を食いしばった。  彼のようにうまくできない。なのにわたしの指先は彼だけを求め――  わたしを、追い込んだ。  終わったとき、洗面台に手をついて荒い息をした。  別れたばかりだというのに、わたしは、いますぐにでも課長が欲しかった。  *
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